第13話

3-13.mp3 「お疲れ様でーす。」 昼、外から帰ってきた京子は担いでいたバッグパックを雑に床において、椅子に座った。 パソコンのスリープモードを解除したときのことである。 京子はちゃんフリ報道部の様子がいつもと違うことに気がついた。 「あれ?」 平日午前のフロア内にはキャップである三波ひとりを除いて誰もいなかった。 「キャップ。」 「うん?」 「どうしたんですか。みんな出払っとるみたいですけど。」 「あぁたまたまじゃないの?」 彼女は社内行事や各社員のスケジュールを一元管理するツール「プロツェス」にアクセスした。 今日は特別な行事や会議もない。 「片倉。」 「はい。」 「噂で聞いたぜ。」 「…え?」 「なんだか自腹で外注使ってネタあげようとしてるらしいじゃん。」 「…三波さんには関係のない話です。」 京子はキャップである三波につっけんどんな対応をした。 「あのさ…片倉…なに警戒してんの?別に俺、お前のネタいっちょ噛みさせてくれって言ってんじゃないよ…。」 「…じゃあ何なんですか。」 「お前がデスクからどんな話聞いてるのか知らないけど…あのときの俺と今の俺は違うの。」 「…。」 「北陸新聞テレビのポジション蹴って、こんな小さな所帯に来たんだぜ。」 「はい…。」 「それに俺の働き評価されてなかったら、キャップなんてポジションもらえないだろ。」 「…まぁ。」 はっきりとしない返事をする彼女は明らかに自分を信用していない。ネタであれ本気であれ…

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