第45話

3-45.mp3 「で、どのタイミングで…。はい。了解しました。あぁ椎名ですか…。あいつは相変わらず何の動きもないようです。…確かに油断は禁物ですね。で、例の件は…なるほどこちらにお任せいただけるんですね。」 電話を切った古田はポリポリと頭を掻いて帽子をかぶり直した。 その帽子には大手配送会社の会社ロゴが刺繍されている。 「さてと…。」 インターホンを押す音 「はい。」 「宅配便でーす。」 玄関ドアが開かれた。 「天宮憲行(のりゆき)さん?」 「はい。」 「警察です。」 「え?」 すかさず古田は自分のつま先を玄関ドアの開いたところにねじ込んだ。 まるで昭和の押し売りのような強引な振る舞いに天宮は言葉を失った 帽子を脱ぎ、胸ポケットから警察手帳を取り出した古田はそれを彼に見せた。 「光定公信さんについてお聞きしたいことがあります。ご協力いただけますか。」 「…ありえない。なんて乱暴な。」 「私は法を犯すようなことは一切行っていませんよ。」 「…取り込み中です。日を改めてくれませんか。」 「何を待ってたんですかね。」 「何のことですか…。」 「何か待ってたんでしょ。ほやから宅配便の受け取りにあんたが直接出た。」 「家には私しかいません。」 「あれ?奥様は。」 「もうここにはいません。」 「あぁ…そうですか。それはそれは…。」 玄関先で話し込む古田の様子を怪訝な様子で見る隣人の姿が、天宮の目に映った。 …

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