第46話
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「え?古田さんが?」
「あぁ、天宮のヤサで聴取しとったところ、あまりにもしつこいとかでPSに苦情が入って、PMが乗り込んだらしい。」
「本当ですか…。」
岡田ため息をつく。
「しかし古田さん、天宮の聴取って…。ここで随分思い切った行動を取りましたね。」
「だな。それで収穫があればいいんやけど」
「まぁ…。」
「何事にも慎重を期するあの人らしくない。何か焦っとるようにも思えるな。」
「不要な予算をマルトクに付けとる。なんて大蔵省が評価したら、せっかく充実させた安全保障関連の予算も見直しが必要とか言って、あいつら至るところにメスを入れかねん。」
「もしもそうなると安全保障予算を引っ張ってきた族議員は、その顔を潰されることになり、ひいては関係業者、団体の期待を裏切ることとなって、票を失うなんて心配もせんといかんくなる。」
「政治家と大蔵省の睨みがきつくなった警察は、世論という勢力を味方につけるため、彼らが最も納得する対応をする。それがツヴァイスタンやウ・ダバをとにかく取り締まれというもの。ここに乗っかって政治家と大蔵省からのプレッシャーを切り抜けようと考えた。」
「なんねんてそれ…。そもそもマルトクはそういう他からの干渉をなくして治安維持活動に専念できるようにって目的で設立された部署やぞ。」
「でも金がなくなればウチらは干上がります。」
「目に見える成果…か。」
「はい。」
「…しかもはよせんといかん訳やな。」
「おそらく。」36
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