第51話

3-51.mp3 「でも朝戸は僕の友人でもある。最後にもう一度だけクイーンとナイトではなく光定と朝戸で会わせてくれないか。」 この文面を見て空閑は動きを止めた。 「どうしたんだ。険しい顔してさ。」 「あ…あぁ…。」 「だれだよ。さっっきから。」 「あ…いや、塾生の保護者。」 「へぇ。お客さんのフォローってわけ?」 「まぁそんなところ。」 「どうなの?お前ンところの業界。」 「ん〜…厳しい。競争がきつくってさ。」 「あれか?値下げ競争的な。」 「一時期はそうでもなかったけど、最近はその傾向が如実に出てきてる。」 「デフレ再突入か。」 「そうだろうな。」 「ふぅ…また俺らみたいな連中が大量生産されるってわけか。」 「このままいけばそうなる可能性は高い。」 「ぶっ殺せばいいさ。」 「うん?」 「ビショップ、お前の競争相手も、デフレを引き起こす連中もみんな殺してしまえばいい。そうすりゃ問題解決さ。」 「まぁ…な。」 「まずは手始めにお前んところの競争相手を消そう。」 「まてよ。そんなことするとあっという間に足がつく。」 「あ…そうか。」 空閑と朝戸は郊外のコーヒーチェーン店にいた。 仕切りによってプライベートスペースが保たれる親切設計の空間。 周囲は適度に騒がしく、よほど注意して耳を澄ませないと会話は漏れ聞こえない。 「しっかし金沢に来てまでこの店に入るとはね。」 「こういう何の変哲もない場所が俺らみたいな人間にとって一番くつろげ…

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