107 第95話

3-95.mp3 「あぁ。ご報告ありがとうございました。え?それはもう…ええ。東京のとある財団の専務理事に空席が出るらしくてですね。話しはすでについていますからご心配なく。え?あぁ…勿論、東一出身者の特別ポストですよ。理事長さんはただの飾りですから、井戸村さん。そこならあなたの予てからの希望の通り、石川なんて田舎じゃなく、東京でやりたいようにやれますよ。」 石大病院の外、バスのりばのベンチに腰を掛けて電話をする相馬の姿があった。 「私ですか?私はこのとおりしがない人材コンサルタントです。これが私の仕事ですので仕事をしたまでですよ。」 「いや、突然電話をかけてきたかと思えば、どうしてこうも私の心情の内幕までも全て知ってるんですかね。此処ってところにズバッと提案を投げてくる。すごい人ですねあなたは。あなたのような人材が側にいれば、その組織はまさに百人力。」 「お褒めに預かり光栄です。あの、ところで小早川先生の後任人事の件は?」 「わかりませんよ。東一とのパイプは光定先生だけになってしまったんで。」 「東一出身は井戸村さん、あなたもそうだし他にも職員でも複数いるでしょう。」 「いや、なんだかんだ言って事務方は影響力はありません。あくまでも教授や医師側がこの病院では力をもっていますから。」 「そうなんですか。」 「はい。御存知の通り光定先生はあんな感じです。こうなった今、このままこの病院にいても東一出身として大きな顔していられるとは思えません。何せ東一に冷ややかな目を向ける…

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