110 第98話

3-98.mp3 「古田の様子がおかしい?」 「はい。」 「何が。」 「同じこと何度も言うんですよ。」 「何度も同じことを?」 「はい。」 警察庁警備局公安特課。 松永専用の公安特課課長室で百目鬼は足を机の上に乗せて何者かと電話をしていた。 「具体的には?」 「空閑ですよ空閑。」 「…あぁ、千種が光定の書類を渡したと思われるやつか。そいつがどうかしたか。」 「古田さん。自分にその空閑を調べてくれって電話かけてきたんです。百目鬼理事官から自分を使えって言われたんでって。」 「うん。俺が神谷くんを紹介した。」 「で、空閑教室って塾をやってるってのを聞いたんで、すぐに下のモンに調べさせたんです。」 「うん。ってかその下のモンって言い方、ちょっとマズくない?組のモン的で。」 「でも一応自分、今は仁熊会の若頭ってことになってますんで。サツカンとして振る舞うと下のモンが良い顔しません。」 「あ…そう…。」 「で、ものの10分してですよ。また古田さんから同じ電話かかってくるんです。」 「同じ電話?」 「はい。空閑教室の主を調べろって。空閑は空気の空に閑散の閑。門構えって。」 「あらら。」 「えっとさっきも電話もらいましたがって言ったんですが、それはワシを語った別のモンやって言うんです。」 「で。」 「で、これがあと2回繰り返されました。」 百目鬼の表情が険しくなった。 机の上に乗せていた足を降ろし、彼は座り直した。 「ぱたっと電話が止んで…

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